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社会保険労務士の難易度や合格率は?受験科目の特徴と勉強方法も解説!

最終更新日 : 2024.03.07

社会保険労務士とは、労働や社会保険に関する専門家のことです。その職務内容は幅広く、給与計算や労災・育休などの手続き、社会保険の加入や脱退の手続きなど、企業にとって欠かせない業務を行っています。

ただし社会保険労務士を名乗るには、まず国家試験に合格しなければなりません。合格後に講習会を受講し、さらに登録をしたうえで、初めて社会保険労務士として働くことができます。

本記事では社会保険労務士の資格試験について、難易度や合格率、そして各科目の特徴や勉強方法を解説します。これから社会保険労務士を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

社会保険労務士(社労士)はどんな試験?難易度は?

社会保険労務士は、「社労士」あるいは「労務士」と呼ばれることも多い国家資格です。ここでは年に1回実施される社労士試験について、詳しく見ていきましょう。

難易度はやや高め!合格率は6%前後

社労士試験の合格率は、実施年によって差はあるものの、6%前後となるケースが多いようです。厚生労働省の発表によると、令和4年度の合格率は5.3%、令和3年度は7.9%でした。

合格率の低さからもわかるように、社労士試験は決して簡単な試験ではありません。三大国家資格ほどではないにせよ、資格試験のなかでは難しい部類に入るでしょう。

合格率が低い理由は試験範囲の広さ

社労士試験の合格率が低い理由の一つに、試験範囲の広さが挙げられます。さらに試験に必要な10科目は、それぞれが基準点を上回らなければなりません。つまり1つでも基準点に達しない科目があれば、その他の科目が基準点を超えていても合格できないのです。

また1日に10科目すべての試験を行うため、総試験時間は290分間にも及びます。そのため、かなりの集中力が求められるといえるでしょう。

申し込み前に受験資格の確認が必須

社労士試験を受けるには、いずれかの受験資格を満たさなければなりません。

  • 学歴:大学や専門学校、高等専門学校(5年制)などを卒業した者。高卒は不可
  • 実務経験:健康保険組合や労働保険事務組合、公務員などで3年以上働いた者
  • 試験合格:厚生労働大臣が認めた国家試験、行政書士試験などの合格者

参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト
参考:社労士資格を取るなら|フォーサイト

必ず事前に社労士の受験資格を確認し、自分が該当するか確かめておきましょう。受験資格によって提出書類も異なるので、あわせて確認が必要です。

試験に必要な10科目!特徴と学習のポイントを紹介

上述のとおり社労士試験は学習範囲が広いため、効率よく学習することが大切です。全部で10科目が必要なので、それぞれの特徴と学習ポイントを知っておきましょう。

  1. 労働基準法:すべての基本となる科目。最初に時間をかけて取り組む
  2. 労働安全衛生法:配点が少ない。基礎を固める
  3. 労働災害補償保険法:身近な内容で学びやすい。基礎を固める
  4. 雇用保険法:数字が問われやすい。ケアレスミスに注意する
  5. 労働保険徴収法:計算問題が出ることもある。仕組みを理解しておく
  6. 労働に関する一般常識:試験範囲が広い。対策が難しいので注意する
  7. 健康保険法:社会保険の土台となる科目。法改正に注意
  8. 国民年金法:年金制度の一階と呼ばれるので、9の前に学習するとスムーズ
  9. 厚生年金保険法:年金制度の二階と呼ばれる。比較的得点しやすい
  10. 社会保険に関する一般常識:試験範囲が膨大である。最後に取り組む

まずは労働基準法の勉強を進めるとよいでしょう。すべての基本であるうえ、有給や労働時間など馴染みのあるテーマを扱っているので、取り掛かりやすいはずです。

反対に社会保険に関する一般常識については、かなり試験範囲が広いです。一通りほかの科目を勉強してから、最後に取り掛かることをおすすめします。

社会保険労務士に合格するための勉強方法

科目ごとの学習ポイントを知ったうえで、社労士試験全体の学習方法も考えなければなりません。学習方法としては、4つの点が重要になります。

まずは学習計画を立てる

社労士試験に必要な学習時間は、800時間~1,000時間といわれています。期間でいうと、およそ1年程度かかると考えておくとよいでしょう。

そのため資格スクールに通う場合もそうですが、独学で取り組む場合は特に、綿密な学習計画を立てなければなりません。やみくもに学習するのではなく、「〇月までに△△の問題演習を終わらせる」など、具体的な計画を立ててください。

過去問を使った問題演習を進める

まずはテキストを一読し、基本的な知識をインプットします。そのうえで知識をアウトプットするために、問題演習を進めてください。なかでも社労士試験の出題形式を把握するためには、過去問を使った演習が効果的です。

過去問演習を進めることで、自分では気づいていなかった苦手分野も見えてくるはずです。用意する過去問は10年分がベストでしょう。古い問題は法改正に対応していない場合があるため、何十年もさかのぼる必要はありません。

理解を深めるために復習をする

問題を解くうえで重要なのは、なぜその解答になるのか理解することです。復習の際は答えが合っているかどうかではなく、その答えに至る理由まで確認しましょう。たとえ答えが合っていても、考え方が間違っていたなら、復習して理解につなげる必要があります。

また、特に集中して復習するべき問題は、全体の正答率が高いのに失点した問題です。社労士試験では、満点をとる必要はありません。正答率が高い問題を確実に正解していけば、基準点に達するはずです。正答率が5割以上の問題については丁寧に復習し、取りこぼさないようにしてください。

試験前は基本事項を最終チェック!

試験直前に新しいテキストを始めるのは、あまりおすすめできません。「終わらない」という焦りが生まれてしまううえ、新たな知識を得られることは少ないためです。それよりも、これまで使ってきたテキストの総復習に当ててください。特に以下のポイントに集中するとよいでしょう。

  • 基本事項の最終チェック
  • 苦手箇所の復習
  • 法改正の確認
  • 白書や統計の対策

それに加えて、体調管理も欠かせません。試験前日は試験当日と同じ時間に起きるなど、スケジュールの調整もしておくと安心です。

まとめ

社会保険労務士は合格率の低い国家資格であり、学習範囲が広いため効率的な学習が求められます。そのためやみくもに学習するのではなく、ポイントを押さえて計画的に学習することが大切です。

今回は社会保険労務士の資格について、難易度や合格率、各科目の特徴や勉強方法について解説しました。ぜひ今回の記事を参考にしつつ、社会保険労務士試験の合格を目指してください。

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