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公認会計士とは、いわば会計のプロフェッショナルを指します。また公認会計士の資格試験には年齢や学歴による制限がないため、希望する方は誰でも受験可能です。多くの企業からのニーズも見込めるため、資格試験の挑戦を考えている方も多いのではないでしょうか。
ただ、なかには「公認会計士の試験は難易度が高いと聞いて心配」「範囲が広いので、効率的に勉強する方法が知りたい」などの悩みを抱えている方もいるでしょう。
そこで今回は公認会計士の資格試験について、難易度や勉強方法、コツなどを解説します。すでに資格取得に向けて動いている方はもちろん、公認会計士に興味を持っている段階の方も、ぜひ参考にしてください。
公認会計士の難易度は高い?
公認会計士という資格を聞いたことのある方は多いでしょう。また「公認会計士」と名乗るには、必ず資格を取得しなければなりません。ここでは公認会計士の難易度について解説していきます。
三大国家資格の一つで合格率は低い
公認会計士は、弁護士・不動産鑑定士とならんで三大国家資格の一つに挙げられる資格です。もちろん難易度も高く、合格に必要な勉強時間は3,000時間~5,000時間ともいわれています。
試験は一次試験と二次試験に分かれており、短答式試験と論文式試験があります。さらに両方に合格した後も、実務経験や実務補習所への通学が必要です。
合格率は約10%ほどを推移しており、公認会計士・監査審議会の発表によると、2022年度の合格率は7.7%でした。また2022年度の合格点は51.6%以上でしたが、1科目でも得点率が40%を下回った場合は不合格となっています。つまりそれぞれの科目をバランスよく勉強しておく必要があるのです。
難易度が高い理由
公認会計士の難易度が高い理由は、大きく2つあります。
- 科目数が多く、試験範囲が広い
- 科目別合格がないため、一度で全科目に合格しなければならない
公認会計士試験の科目数は多く、必須科目と選択科目を合わせると9科目にも及びます。試験範囲も広く、一般的に合格までには2年以上の勉強が必要でしょう。そのため長期間にわたって勉強のモチベーションを保たなければなりません。
それでいて、科目別合格がない点も難易度が高い原因の一つです。他の科目が基準点を超えていても、基準に達していない科目が一つあれば不合格となってしまいます。そして次回の試験では、改めて全科目を受験しなければならないのです。
公認会計士の科目別の勉強方法
公認会計士は難易度が高いため、効率よく勉強しなければなりません。ここからは科目ごとの勉強方法について解説します。
会計学
会計学には財務会計論と管理会計論があります。特に財務会計論は範囲が広く、かなりの勉強時間が必要です。勉強量が多いため、正答率が低い問題に時間をかけるよりも、多くの人が取れる問題を落とさないことが重要になります。
特に総合問題には毎日触れる習慣をつけておくとよいでしょう。簿記1級の範囲が含まれるため、人によっては先に簿記1級を取得することもあります。
管理会計論では暗記力よりも、内容を理解することが重要です。また理論の勉強は後回しにしてもかまいません。先に計算方法をマスターしたうえで、理論の勉強に入る方が効率的です。
監査論
監査論は実務経験のない受験生にとって、難易度の高い科目といえます。まずはキーワードを確実に覚え、理解するところから始めてください。
問題を解く際は、結論から考えることもポイントです。「なぜこの結論になるのか」という点が理解できるまで、テキストを繰り返しましょう。ただし問題数は多くないので、監査論に時間をかけすぎることのないよう注意が必要です。
企業法
企業法では法律の知識が求められるため、人によっては苦手意識があるかもしれません。一方で勉強した分、点数にも反映されやすい科目です。覚える量が多いため、まずは暗記に力を入れましょう。この時、周辺知識も合わせて理解するようにしてください。
論文式試験の対策としては、初めに答案の書き方をマスターしなければなりません。構成を丸ごと覚えるのもよい方法です。本番で焦らないために、普段から書く練習も繰り返しておきましょう。
租税法
租税法は論文式試験でしか出題されません。そのため「短答式試験が終わってから勉強する」「直前に一気に詰め込む」という勉強方法をとる方も多い科目です。
ただ覚える範囲が多く、繰り返し学習によって定着していく科目でもあります。部分点を狙うこともできるので、おざなりにせず、しっかりと勉強時間を割きたいところです。テキストを繰り返して出題のパターンをつかみ、解くスピードも早めていきましょう。
選択科目
選択科目は4つあるため、それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った科目を選ぶ必要があります。
- 経営学
- 経済学
- 民法
- 統計学
多くの受験生が選んでおり、合格後の実務にも役立つ科目は経営学です。基礎的な問題も多く、比較的難易度は低いでしょう。ファイナンス論は早めに勉強をはじめ、計算方法を覚えてください。経営戦略論については、短答式試験に合格してから一気に暗記すれば対応できます。
経済学や民法は覚える範囲が広く、多くの勉強時間が必要です。そのため元々その分野が得意な方を除いては、あまりおすすめできません。統計学も範囲は狭いものの、専門性や難易度が高く、一つの計算ミスが命取りになるリスクがあります。
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公認会計士の試験合格のコツ
公認会計士の試験は、やみくもに勉強してもなかなか合格できません。ここでは4つのコツをご紹介するので、参考にしてください。
学習の目標や計画を立てる
最初に行うべきは、学習の目標・計画を立てることです。「1日に〇時間勉強できるから、△月の試験を受ける」あるいは「△月の試験を受けるから、1日に〇時間勉強する」など、スケジュールを明確にしておきましょう。
ただし過密なスケジュールではモチベーションも保てず、挫折してしまうかもしれません。スケジュールには余裕を持たせ、無理なく勉強が続けられるようにしてください。
予備校の教材を活用する
独学で公認会計士に合格することは不可能ではありませんが、かなりの努力とモチベーションが必要です。市販のテキストも多くはないので、思うように勉強が進まないこともありえます。
そのため大半の受験生は予備校に通うか、通信講座を受講します。その場合は他のテキストにあれこれ手を出さず、予備校の教材をフル活用してください。教材にメモをしてもよいですし、付箋を貼ってもよいでしょう。まとめノートを作るよりも、教材を読み込む方が効率的です。
苦手箇所を潰しつつ反復学習をする
一つでも正答率の低すぎる科目があると、他の科目が基準点を超えていても不合格になります。つまりできるだけ苦手科目を作らないことが大切です。
また間違えたところや苦手箇所は、繰り返し復習が必要です。この時単に「合っていた」「間違っていた」だけでなく、間違った理由まで確認してください。短いスパンで何度も繰り返すと、より記憶が定着しやすくなります。
暗記ではなく理解することが大切
公認会計士の試験には思考力が必要な問題が多いため、暗記力だけでは解けない問題もあります。知識を「覚えている」だけでなく「使える」状態にしなければなりません。
そして知識を「使える」状態にするには、理解することが大切です。覚えたことを人に説明するなど、アウトプットの機会を作るのもよいでしょう。
まとめ
公認会計士は難易度が高く、勉強範囲も広いです。一方で多くの企業から求められる資格であり、会計のプロフェッショナルとして信頼性も高い資格といえるでしょう。
今回は公認会計士の資格について、難易度や勉強方法、合格のコツについて解説しました。ぜひ参考にして勉強をすすめ、公認会計士合格を目指してください。