QAエンジニアって聞いたことがあるけど、どんな仕事なのかな・・・。
どのようなスキルが必要なのか、将来的なキャリアパスはどうなのかなど様々な疑問が湧いてくるでしょう。
今回はQAエンジニアの仕事内容やキャリアパスについて解説します。
QAエンジニアに興味関心がある方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
QAエンジニアとは？
QAエンジニアとは、ソフトウェアの品質保証をメインにおこなうエンジニアです。
QAエンジニアのQAはQuality Assuranceの略であり、文字どおり品質を保証するエンジニアになります。
QAエンジニアは設計上の不備や矛盾の発見、テストを通じての品質保証をおこなっていきます。
QAエンジニアはなぜ必要なのか？
QAエンジニアが必要な理由はズバリ、ソフトウェアの品質を確保するためです。
私たちの生活は、もはやソフトウェアなしの生活は考えられず、仕事にもプライベートにも必要不可欠です。
仮に使用しているソフトウェアが思ったとおりの動作しないものや使いにくかったら、いかがでしょうか。
おそらく多くの方が使用をやめてしまうでしょう。
期待どおりに動かないソフトウェアや使いにくいソフトウェア、品質の低いソフトウェアは使われなくなります。
厳しい競争を勝ち抜くためには、ソフトウェアの品質を高く保つ必要があるのです。
テストエンジニアとは何が違うの？
同じ品質保証をメインの仕事としているテストエンジニアとの違いは、立ち位置です。
テストエンジニアは、設計書どおりに動作するのかをメインとしているため、開発寄りの立場になります。
一方でQAエンジニアは、品質を保証するのに様々なアプローチを用いるため、より第三者の立場になります。
QAエンジニアの仕事内容は？
QAエンジニアの仕事内容は主に以下の4つとなります。
- 品質保証テストの計画と設計
- テストケースの作成
- プログラムの動作確認
- 製品リリース後のデータ分析と改修
品質保証テストの計画と設計
QAエンジニアは品質を保証するために、まずテストの計画を立てます。
テスト計画とは品質を保証する対象に対して、あらかじめテストの方向性を決めておくことです。
具体的には、以下の点をテスト計画で決めておきます。
- どのようなテストをするのか
- どれくらいの期間でおこなうのか
- 使用するツールは何か
テストの方向性を落とし込んだテスト観点の作成も、QAエンジニアがおこないます。
テストケースの作成
テストケースは、こういった操作をすると、こういった結果が得られるであろうという想定をまとめたものです。
このテスト観点をより具体化させたテストケースの作成もQAエンジニアの仕事になります。
テストケースを作成する目的はズバリ、漏れなく必要なテストをおこなうためです。
テスト観点のままでは、プログラムがどのような動作をすれば仕様どおりか、テストをおこなう条件などが細かく具体化されていません。
例えば検索のテストケースであれば、条件の掛け合わせ検索をした場合、検索結果が表示されたあとに再検索した場合など、色々なパターンがあります。
その他にも画面の戻るボタンを押した場合、ブラウザバックをした場合、ブラウザを閉じた場合など、出来るだけ細かくテストケースを洗い出すことで、テスト仕様書の精度が上がります。
実際のテスト作業はこのテストケースを元に作られたテスト仕様書で行うので、テスト観点の知識や経験が重要になります。
プログラムの動作確認
プログラムの動作確認もQAエンジニアの仕事になります。
例えば、設計書どおりに動作をするのかの動作テスト、仕様どおりの動きとなっているかの動作仕様テストもQAエンジニアがおこないます。
他にもプログラムが、大量データや長時間運用に耐えられるか否かを確認する耐久テストもQAエンジニアの仕事です。
製品リリース後のデータ分析と改修
テスト後、実際にリリースされた製品に対するデータ分析と改修もQAエンジニアの仕事になります。
リリース後のバグ発生状況やパフォーマンスをチェックして、製品の品質をデータ分析します。
またリリース後に発生したバグの改修もQAエンジニアがおこなう仕事です。
QAエンジニアに必要なスキルは？
様々な角度から品質保証をおこなうQAエンジニアに必要なスキルは主に以下の3つです。
- 要件定義書・仕様書を読み解くスキル
- テストシナリオを構成するスキル
- 品質保証に関してのスキル・知識
またプラスアルファのスキルがあると、QAエンジニアの業務に役立つのであわせて紹介します。
要件定義書・仕様書を読み解くスキル
QAエンジニアはテストだけでなく、ドキュメントからでも品質を高める活動をおこないます。
プログラムが作り込まれる前に、設計書の不備や矛盾を指摘して、バグの発生を未然に防ぎます。
ドキュメントの不備や矛盾をチェックするために、QAエンジニアには要件定義書・仕様書を読み解くスキルが必要です。
テストシナリオを構成するスキル
同じテストといっても、様々なテストがあります。
仕様書に沿った動作をするかのテストもあれば、実運用に沿った使い方ができるかのテストもあります。
実運用に沿ったシステム運用ができるように、テストのシナリオを組むスキルもQAエンジニアには必要です。
品質保証に関しての知識・スキル
品質保証を主な仕事としているQAエンジニアには、当然ながら品質保証に関する知識やスキルが必要になります。
例えば、各工程をマネジメントするスキルや各プロセスで必要となる品質についての知識です。
QAエンジニアは品質保証のプロとして、品質を高めるためのアプローチを身につけておく必要があります。
あるとさらに役立つスキル
QAエンジニアは他にも以下のスキルがあると、業務に役立つでしょう。
- 自動テストを実現するプログラミングスキル
- より効率的な開発・テストを実現するソフトウェア開発の知識やスキル
- テスト対象にマッチするテスト技法の知識やスキル
QAエンジニアに役立つ資格は？
エンジニアは資格で仕事をおこなうわけではありませんが、資格を取得する過程で様々なことが学べるため、大変役立つでしょう。
QAエンジニアをする上で、以下の資格があると業務に役立ちます。
- JSTQB認定テスト技術者資格
- ソフトウェア品質技術者資格認定（JCSQE）
- IT検証技術者認定試験（IVEC）
JSTQB認定テスト技術者資格
Japan Software Testing Qualifications Boardが運営・主催しているソフトウェアテストに関する資格です。
ISTQBという国際的な資格と相互認証をおこなっているため、JSTQBは海外でも通用する国際的な資格になります。
試験は「Advanced Level」と「Foundation Level」の2段階が用意されています。
ソフトウェア品質技術者資格認定（JCSQE）
一般財団法人日本科学技術連盟が運営・主催しているソフトウェアの品質向上に必要な知識を認定する資格です。
試験は初級と中級の2段階が用意されています。
IT検証技術者認定試験（IVEC）
一般社団法人IT検証産業協会（IVIA）が運営・主催するテストエンジニア向けの資格試験です。
テストに関する基礎的な知識問題、実践を想定したマネジメントスキルが問われる問題が出題されます。
試験は7段階が用意されています。
QAエンジニアの将来性は？
ソフトウェアが生活に浸透している現代では、たった1つのバグ・不具合が多くの方に影響を与えてしまいます。
今後も私たちの生活に、ソフトウェアが浸透していく方向は変わりません。
ソフトウェアの品質を保証するQAエンジニアの必要性は、さらに高まっていくでしょう。
一方でQAエンジニアとして、絶えず品質を高めていくためには、スキルアップが必要不可欠になります。
なぜならソフトウェアテストは日進月歩で進化しており、テストの自動化は日々進化しているからです。
E2E (エンドツーエンド) テストの自動化であれば、autifyのようなサービスがありますし、CI/CDといったソフトウェア開発の手法を取り入れる企業も増えてきています。
CI/CDは日本語では継続的インティグレーション／継続的デリバリーという意味で、ソフトウェアをリリースする前に自動的にテストする画期的なものです。
ここまでの情報だと「AIに仕事が取られるのでは。」と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。
ツールはあくまでも人が設定したものをベースに動きますし、ツールのテスト品質評価も重要な役割となってきています。
また、ツールを使いこなすことで打鍵テストのような単純なテスト業務を効率化することも期待でき、重宝されるQAエンジニアになるでしょう。
そしてQAエンジニアは知識や経験を積んでいくと、以下のようなキャリアパスがあります。
QAエンジニアを目指すのであれば、ぜひ参考にしてみてください。
- 品質の改善を専門におこなうQAコンサルタント
- QAエンジニアをまとめるQAマネージャー
まとめ
ここまでQAエンジニアとは何か、どのような仕事をおこなうのかを解説しました。
QAエンジニアは品質を高めるための知識や経験が求められる仕事になります。
QAエンジニアを目指す場合には、プログラマーやシステムエンジニアなどのキャリアがあると、QAエンジニアになりやすいでしょう。
一方でゼロからQAエンジニアになるのは不可能ではなく、しっかりと勉強をすれば目指せる仕事になります。
スキルや知識を身につけるためには、学習サイトやプログラミングスクールを利用して、勉強するのがよいでしょう。
【2022年12月最新】おすすめのプログラミングスクール比較ランキングTOP10！選び方のコツもご紹介
ソフトウェアの影響力が高い昨今では、品質を支えるQAエンジニアは需要の多い職種です。
品質を支えるQAエンジニアを目指すのであれば、ぜひ今からアクションを起こしていただければと思います。
