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知的財産管理技能検定は、知的財産分野の知識を問う資格で職場でのスキルアップに役立てられています。
「知的財産管理技能検定の要点を知りたい」
「知的財産管理技能検定の取得難易度は高いのかな」
検定に関心を持った方の中には、このように考える方がいるはず。
そこで本記事では、知的財産管理技能検定3級の概要や合格率、勉強方法などを分かりやすく説明していきます。
検定への理解を深めたい方は、ぜひご一読ください。
知的財産管理技能検定とは
そもそも知的財産管理技能検定とは、著作権や特許、商標などの知的財産を管理するスキルが問われる国家資格で、法律系の資格の中では比較的難易度が低いと言われています。
コンテンツを生み出す企業やメーカーの法務部で働く方が取得すれば、仕事で役立てられます。さらにメーカーの技術職の方が仕事への理解を深めるために、また学生が就職活動に役立てるために取得しています。
ではここからは知的財産管理技能検定の中で、もっとも取得難易度の低い3級の試験概要と出題範囲について解説します。
知的財産管理技能検定3級試験の概要
知的財産管理技能検定3級試験の概要は、以下の通りです。
検定名 | 知的財産管理検定3級 |
試験の対象者像 | 知的財産分野において、初歩的なマネジメント能力がある |
選択業務 | 管理業務 |
問題数と試験時間 | 学科・実技 各30問(各45分) |
試験形式 | 学科:マークシート方式 実技:記述方式・マークシート方式 |
合格基準 | 学科・実技 各70%以上正答 |
受検手数料 | 学科・実技 各6,100円 |
試験は毎年7・11月・3月の年3回実施されています。
学科試験と実技試験の両方に合格してはじめて、技能士となることができます。
知的財産管理技能検定3級の出題範囲
知的財産管理技能検定3級試験の出題範囲は、次の内容となっています。
- ブランド保護
- 技術保護
- コンテンツ保護
- デザイン保護
- 契約
- エンフォースメント
- 関連法規
大企業の場合は上司の指導の下で、また中小・ベンチャー企業の場合は外部専門家などと連携して課題解決ができる技能が基準とされています。
また知的財産管理技能検定3級の出題範囲が「知的財産関連法」に限られていて、様々な法律を学ぶ必要がないことが初心者向けだと言われる理由の1つです。
知的財産管理技能検定3級は取得難易度が高い?
知的財産管理技能検定3級の取得難易度はどのくらいなのでしょうか。ここでは過去の申込者数と合格者数から、合格率を算出していきましょう。
知的財産管理技能検定3級の合格率
過去3回の学科試験の合格率は、以下の内容となっています。
試験日 | 申込者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年7月 | 3,072人 | 2,154人 | 70.12% |
2023年3月 | 2,833人 | 1,852人 | 65.37% |
2022年11月 | 2,856人 | 1,937人 | 67.82% |
また実技試験の合格率は、以下の通りです。
試験日 | 申込者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年7月 | 2,929人 | 1,950人 | 66.58% |
2023年3月 | 2,753人 | 1,986人 | 72.14% |
2022年11月 | 2,756人 | 1,884人 | 68.36% |
データを見ると、知的財産管理技能検定3級の合格率は約70%で、法律系の国家資格の中では比較的取得しやすくなっています。
知的財産に関する職種は高年収が期待できる
知的財産管理技能検定が高い年収に繋がるのか、気になる方がいるかもしれません。
求人ボックスによると、知的財産の仕事の年収は596万円、また日本人の平均年収は443万円というデータが出ています。すなわち知的財産の仕事は、日本の平均より153万円も年収が高いことになります。
参考:求人ボックス給料ナビ
知的財産管理技能検定を取得し、特許事務所や企業の知財部で実務を積んでいけば高年収が期待できる職種です。
他にもデザイン制作や広報で知識を習得し仕事に深みを持たせたり、経理部からキャリアアップを目指したりする事例があります。
知的財産管理技能検定3級合格に向けた勉強方法・コツ
知的財産管理技能検定について興味が湧いた方へ向けて、ここからは知的財産管理技能検定3級の合格を目指す、勉強方法や学習のコツを以下の4点から解説します。
- 3級は独学で合格を目指せる
- 早い段階で問題演習・過去問に取り組む
- 著作権法と特許法を重点的に学ぶ
- 満点を目指さない
学習のポイントを押さえて、検定合格のイメージを深めていきましょう。
①3級は独学で合格を目指せる
知的財産管理技能検定3級は独学でも合格を目指せます。
合格率が約70%と狭き門ではないため、真面目に3ヵ月程勉強すれば取得可能な検定だと言われています。
この後紹介するポイントを押さえて、効果的に学習に取り組むことが重要です。
②早い段階で問題演習・過去問に取り組む
知的財産管理技能検定3級の勉強は、早い段階で問題演習・過去問に取り組むことが重要です。
淡々とテキストを読み込むだけでなく、実践的に問題を解くことで知識が頭に入ると言われています。
学習手順として、まずテキストに一通り目を通した後、問題演習や過去問に取り掛かり、問題を解いて分からない部分を再度テキストで復習するのが効率的です。
知的財産管理技能検定に限らず、どの検定・試験でも一般的な学習方法だといえるでしょう。
③著作権法と特許法を重点的に学ぶ
知的財産管理技能検定3級は著作権法と特許法から半数以上が出題されると言われていて、重点的に学ぶと効果的です。
知的財産関連法の全てを学習する中で、特に著作権法と特許法を得意分野にすれば、合格への道が開けるといえるでしょう。
④満点を目指さない
知的財産管理技能検定3級は70%正答すれば合格できるため、最初から全ての問題を習得する学習方法は効率が悪くなります。
まずは基本問題の正答率を上げたのちに、新傾向の問題や難しい問題への対策を進めることが重要です。
まとめ:知的財産管理技能検定3級はキャリアアップにおすすめの国家資格
知的財産管理技能検定3級は知的財産に関する知識を身に付けたい方の登竜門的な資格です。
知的財産の仕事はしっかりと経験を積めば高年収が狙える職種のため、転職・就職を検討する方は、ぜひ選択肢に入れてみて下さい。
知的財産管理技能検定3級は独学でも習得可能なので、ぜひ興味が湧いた方は学習を始めてみてはいかがでしょうか。