「ITIL®という言葉を聞いたことがあるけど、詳しく知らない」
「ITIL®資格の試験ってどういう内容?勉強方法は?」
ITIL®と聞くと上記のような疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
ITIL®は、ITサービスマネジメントに関する成功事例を体系的にまとめたものです。
そして認定試験に合格することは、ITサービスマネジメントの分野での専門家であることの証にもなります。
今回は、ITIL®の概要からITIL®4資格について詳しく解説します。
ITIL®4資格の基礎となる、ITIL®ファンデーション試験に挑戦するためのオススメ勉強方法や問題集も紹介していくので是非参考にしてください。
ITIL®とは
ITIL®(Information Technology Infrastructure Library)は、IT対応サービスを管理するための包括的なガイダンスであり、2019年から最新版であるITIL®4がリリースされました。
ITIL®4では、デジタルトランスフォーメーションが進む現在、アジャイル、クラウド、リーンなど現代のITにおいて重要な概念が取り入れられるようになりました。
ここではITIL®の概要について詳しく解説していきます。
ITサービスマネジメントの成功事例を体系的にまとめたもの
ITIL®はIT対応サービスを管理するための包括的なガイダンスであり、IT技術を最大限に生かすためのサービスマネジメントの成功事例が体系的にまとめられています。
成功事例が体系的にまとめられていることによって、ITサービスマネジメントにおけるより最適解を提供でき、組織がより効率的かつ効果的にサービスを提供できるのに役立ちます。
イギリス政府が公表し、各国のitSMFが普及活動を行っている
ITIL®は、ITサービスの利用と提供のガイドラインが必要とされたことをきっかけに、イギリス政府によって1980年代後半に公表されました。
公表されて以降、itSMFによってITIL®の普及活動が行われています。
itSMFは、ITIL®のドキュメントやライブラリを構築し、ITサービスマネジメントのベストプラクティスを世界中に普及させることを目的としている非営利団体です。
PeopleCert社が認定試験を実施している
ITIL®の知識とスキルを証明するための試験として、PeopleCert社が認定試験を実施しています。
ITIL®の認定を取得することで、ITサービスマネジメントの分野での専門家であることをアピールでき、キャリアアップや仕事の現場での信頼性向上に役立ちます。
ITIL®4の資格体系
ITIL®4には、以下の4つのレベルがあります。
- ITIL®4ファンデーション
- ITIL®4マネージングプロフェッショナル(MP)
- ITIL®4ストラテジックリーダー(SL)
- ITIL®4マスター
ITIL®4ファンデーション
ITIL®4ファンデーションは、ITIL®4の中でも基礎レベルの資格であり、ITサービスマネジメントにおける基本的な概念、用語、原則、および手法を習得することができます。
ITIL®4の最も基礎となるため、ITIL®4のより上位資格を取得したい場合は、取得が必須となります。
ITIL®4マネージングプロフェッショナル(MP)
ITIL®4マネージングプロフェッショナル(MP)は、ITIL®4ファンデーションの知識をもとにした上位レベルの資格です。
ITIL®4マネージングプロフェッショナルを取得するためには、マネージメント系を主とする4つのモジュールの研修を受講し、認定を受ける必要があります。
ITIL®4ストラテジックリーダー(SL)
ITIL®4ストラテジックリーダー(SL)は、ITIL®4マネージングプロフェッショナル(MP)と同様、TIL®4ファンデーションの知識をもとにした上位レベルの資格です。
しかしストラテジー系を主としている点で異なります。
ITIL®4マスター
ITIL®4マスターはITIL®4最高レベルの資格です。
詳細な概要は公表されていないですが、上位資格を踏まえたうえで課題提出や面接などによって認定の判断される予定です。
ITIL®4ファンデーションの試験内容
ITIL®4の中でも最も基礎レベルで、試験のみで取得できるITIL®4ファンデーションの試験内容について詳しく説明していきます。
試験概要
ITIL®4ファンデーションの試験概要を以下の表でまとめました。
受験料 | 試験時間 | 問題数 | 合格点 |
オンライン試験 65,550円 (電子版コア書籍・公式トレーニング教材(英語版) バンドル) プロメトリック試験センター 67,793円 |
60分 | 40問の選択肢式 | 26点(65%) |
ITIL®4ファンデーションの試験は、40個の選択肢式の問題が出題され、受験時間は60分となっています。
合格点は26点(65%)となっており、試験に合格することで、ITIL®4ファンデーション認定資格を取得することができます。
試験の範囲
ITIL®4ファンデーションの試験では、ITサービスマネジメントに関する基本的な概念や用語、ITIL®の枠組みや原則、そして各種の実践的な方法論について出題されます。
ITIL®ファンデーションの勉強方法
ITIL®ファンデーションに合格するために役立つ勉強方法についてここでは、詳しく紹介していきます。
問題集を解く
ITIL®ファンデーション試験に挑戦する前に、問題集を解いて傾向や内容を把握しておくことが大切です。
おすすめの問題集は、クラムメディアのITIL®4 Foundation Exam問題集です。
クラムメディアの問題集は6,000円と有料ですが、本番で出題される問題を多く掲載していることで評判です。
また、網羅的かつ、問題数も多くないため、短時間で対策ができます。
クラムメディアの問題集は以下のリンクより購入可能です。
参考書を読む
参考書は、ITIL®の用語の定義や概念を理解する際に役立ちます。
参考書で知識を身に着けて、問題集で実践することで、より理解を深められます。
おすすめの参考書はとして「ITIL® ファンデーション ITIL 4 エディション」が挙げられます。
ITIL®の普及活動を行っているitSMFから公式の日本語書籍も販売されており、こちらもオススメです。
資格の予備校を利用する
参考書や問題集を使って独学するだけでなく、資格の予備校を利用する方法もあります。
予備校では、合格に必要な知識や理解度をプロから教わることができるため非常に有効ですが、独学と比べると料金がかさんでしまいます。
オンライン講座を実施している予備校もあるため、仕事や家庭との両立が難しい人にもおすすめです。
さらなる高レベル試験に合格するには?
ITIL®ファンデーション試験に合格したら、より高いレベルの資格を目指すことができますが、これらの資格はより高度であり、中長期的な勉強計画が立てることが必要です。
日々の勉強を怠らず、ITの最新技術やトレンドにもアンテナを張り、資格取得に関連する情報を常に収集しなければいけません。
より高いレベルの資格の取得を目指す際は、オンラインスクールや予備校の利用を検討することがオススメです。
まとめ
この記事では、ITIL®の概要や、最新バージョンのITIL®であるITIL®4の資格の資格体系や試験内容、勉強方法についてまで解説してきました。
ITIL®4を学ぶことで、ITサービスマネジメントの専門家としての知識とスキルを身につけられます。
特にITIL®4の最も基礎的なレベルとなるITIL®4ファンデーション試験は、問題集や参考書を使い、要点を絞って勉強すれば短期間でも合格を狙うことが可能
です。
ITIL®4の資格取得にチャレンジしたいという方は、まずは問題集や参考書を購入して勉強を始めてみてはいかがでしょうか。