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「CCNP Enterprise」は、ネットワークエンジニア向け資格の中でも、一定のキャリアを積んだエンジニアが取得を検討したい資格です。初心者向けの資格ではないものの、合格できればネットワークエンジニアとしてのキャリアアップに役立てられるでしょう。
この記事では、CCNP Enterpriseの概要や難易度、勉強方法について解説します。CCNP Enterpriseの受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
CCNP Enterpriseとは
CCNP Enterpriseは、ネットワーク機器の世界最大手「Cisco社」が認定しているCisco技術者認定資格のひとつです。
ここではまず、CCNP Enterpriseの概要について解説します。
試験概要
はじめに、CCNP Enterpriseの試験概要を紹介します。
試験内容 | ・コア試験 ・コンセントレーション試験 |
受験形式 | CBT方式 |
出題・解答形式 | ・多肢選択 ・入力 ・ドラック&ドロップ ・長文シナリオ ・シミュレーター操作 |
受験会場 | ・会場受験 ・自宅受験 |
受験料 | コア試験:$400 コンセントレーション試験:$300 |
CCNP Enterpriseは、「コア試験」と「コンセントレーション試験」という2つの試験から構成されています。
コア試験は受験者全員が共通で受けなければならない試験で、コンセントレーション試験は複数の試験の中からの選択式となっています。
出題・解答形式の幅が広く、基本的な多肢選択方式以外に、コマンドを入力したり、シミュレーターを操作したりする問題も出題されるため、十分な対策が必要です。
出題範囲
CCNP Enterpriseの出題範囲は、以下の通りです。
試験 | 出題範囲 | |
コア試験(350-401 ENCOR) | デュアルスタック (IPv4 および IPv6)アーキテクチャ 仮想化 インフラストラクチャ ネットワークアシュアランス セキュリティ 自動化 |
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コンセントレーション試験 | 300-410 ENARSI | レイヤ 3 VPN サービス インフラストラクチャ セキュリティ インフラストラクチャ サービス インフラストラクチャの自動化 |
300-415 ENSDWI | SD-WAN アーキテクチャ コントローラの展開 エッジルータの展開 ポリシー セキュリティ QoS マルチキャスト 管理と運用 |
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300-420 ENSLD | 高度なアドレッシングおよびルーティング ソリューション 高度なエンタープライズ キャンパス ネットワーク WAN セキュリティサービス ネットワークサービス SDA |
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300-425 ENWLSD | サイト調査 有線およびワイヤレス インフラストラクチャ モビリティ WLAN ハイ アベイラビリティ |
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300-430 ENWLSI | FlexConnect QoS マルチキャスト 高度なロケーション サービス クライアントの接続におけるセキュリティ モニタリング デバイス ハードニング |
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ENAUTO 300-435 | プログラミングの概念 Python プログラミング API コントローラ 自動化ツール |
(参考:CCNP Enterprise 認定とトレーニングプログラム)
CCNP Enterpriseの難易度
ここでは、CCNP Enterpriseの難易度について解説します。
Cisco技術者認定としての難易度
CCNP Enterpriseは、Cisco技術者認定の中では上から3番目、下から3番目の中間に位置しています。
Cisco技術者認定は、難易度の高い順に以下のような構成となっています。
- CCAr
- CCIE
- CCNP
- CCNA
- CCST
全体の中で真ん中の難易度に位置している試験ではありますが、実は決して簡単な試験ではありません。CCNAがネットワークエンジニアの基礎を扱う試験になっており、CCNPはさらに高度なスキルが問われる試験となっています。
IT経験者にとっての難易度
CCNP Enterpriseは、IT経験者であっても簡単な試験ではありません。
ネットワークエンジニアとして一定の経験を積んだ方であれば、CCNP Enterpriseを取得している方も珍しくはありませんが、ネットワーク関係の業務経験がない方には難易度の高い試験です。
CCNAはネットワークエンジニアの最初の登竜門として、未経験の方でも取得可能な資格ですが、CCNP Enterpriseは未経験での取得は難しいでしょう。
他のIT関連資格との比較
CCNP Enterpriseは、IT系資格の中では中級レベルの資格と言えます。
他のIT関連資格の中で同等レベルの資格として、以下が挙げられます。
- 応用情報技術者試験
- LPIC-3/LinuC-3
- Oracle Master Gold
分野が異なるため単純な難易度の比較はできませんが、ITエンジニアの中でも一定の経験を積んだ方がチャレンジするレベルの資格と言えるでしょう。
CCNP Enterpriseの勉強方法
CCNP Enterpriseは決して難易度の低い資格試験ではないため、合格するには十分な勉強をして対策しなければなりません。
ここで、CCNP Enterpriseの勉強方法を3つ紹介します。
- 書籍
- オンライン学習サイト
- Cisco認定ラーニングプログラム
書籍
数はあまり多くないものの、CCNP Enterprise関係の参考書や問題集は書店で手に入ります。
書籍での勉強は、内容が網羅的で基礎を理解しやすく、試験範囲を広くカバーできるというメリットがあります。
CCNP Enterpriseにはシミュレーター操作や入力など、暗記だけでは対応できない問題も出題されるため、手を動かした勉強が大切です。
書籍での学習では手を動かした学習がしにくいので、自分でシミュレーターを導入するなど、対策を検討する必要があります。
オンライン学習サイト
UdemyやPing-tなど、オンラインでCCNP Enterpriseの対策ができるWebサイトもあります。
動画による解説を視聴できたり、豊富な練習問題で勉強できたりと、書籍による勉強よりも実践的な学習がしやすくなっています。
書籍と併用する形で利用しましょう。
Cisco認定ラーニングプログラム
CCNP EnterpriseをはじめとするCisco技術者認定には、公式のラーニングプログラムがあります。
英語で提供されているため難易度は高いものの、公式のトレーニングを受けながら試験対策ができます。
英語での対策が辛いという方は、日本の企業が研修制度を提供している場合もあるため、利用を検討してみてください。
まとめ|CCNP Enterpriseで一段上のネットワークエンジニアに
CCNP Enterpriseは、ネットワークエンジニアとしてキャリアアップしたい方はぜひチャレンジしたい資格の1つです。CCNAを取得して業務に携わる中で、ネットワークの専門家としてレベルアップを目指す方は、CCNP Enterpriseの取得をまず検討してみてください。
出題範囲も広く、シミュレーター操作などの問題もあるので、試験には十分な対策が必要です。書籍と学習サイトの利用はもちろん、公式のラーニングプログラムや企業が提供している研修制度の利用を検討しましょう。